日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成15年度日本調理科学会大会
セッションID: 2C-p7
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電子レンジ解凍による冷凍青汁の栄養、抗酸化活性に及ぼす影響
*佐々木 千恵寺本 祐之杉野 智美伊藤 幸彦水口 彩喜瀬 光男青砥 弘道吉城 由美子大久保 一良
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抄録

【目的】健康指向の高まりにより、野菜飲料の消費量が伸長してきている。その中でも栄養価が高い野菜のケールを搾汁した冷凍青汁が注目されている。冷凍青汁は、鮮度と栄養価を長期に保持するためには優れた形態であるが、飲用時の解凍方法によっては、青汁の栄養価、機能性が損失される懸念がある。今回は、簡便な解凍方法である電子レンジを冷凍青汁の解凍に使用した場合の栄養価、抗酸化力に及ぼす影響の有無を検討した。
【方法】試料は、愛媛県JAで栽培されたケールを搾汁して製造された冷凍青汁(ファンケル社製)を用いた。解凍方法は、スタンダードな手法として用いられている流水に浸した解凍(流水解凍;20_から_23℃水道水、4分30秒)をコントロールとして、電子レンジによる解凍(500W、1分30秒)後の栄養価、抗酸化力を評価した。栄養価はβ‐カロテン、ビタミン類、葉緑素(クロロフィルa、クロロフィルb)、抗酸化力はESRによるSOD様活性(SOSA)、XYZ系活性酸素消去発光法によるH2O2消去活性の分析を行った。また、解凍後の沈殿凝集の程度を粒度分布計で測定し、喉越しなどの官能試験と合わせて評価を行った。
【結果】電子レンジによる解凍は、流水解凍と比較して、沈殿凝集物の粒子径が小さくなり、喉越しが良くなることが分かった。β‐カロテン、ビタミン類、葉緑素については、解凍方法による差は認められなかった。抗酸化力の指標となるESRによるSOSA及びXYZ系活性酸素消去発光によるH2O2消去活性は、電子レンジ解凍の方が高い傾向を示した。
【結論】冷凍青汁の電子レンジ解凍は、簡便であるだけでなく、栄養価を損なわず、飲用時の品質も優れていると評価した。

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