日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成16年度日本調理科学会大会
セッションID: 2D-p3
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一般講演
伝承料理あらいにみられる筋肉の収縮に及ぼすカルシウムの効果
*松本 美鈴
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抄録
【目的】あらい料理の特徴は、極めて活きのよい魚介類を用いることである。しかし、この特殊性が、あらいの利用範囲を限定している。本研究では、鮮度の異なる魚肉からあらいを調製し、あらい処理条件が筋肉収縮に及ぼす影響を検討することにした。
【方法】即殺したスズキから背側普通筋を切り出し、フィルムで包装し、5℃で2日間貯蔵した。経時的に筋肉をサンプリングし、3mm幅にスライスし、あらい処理に供した。あらい処理条件は、次の5つである。(1)18℃の脱イオン水中で3分間撹拌、(2)47℃の脱イオン水中で20秒間撹拌、(3)18℃の100mMCaCl水溶液中で3分間撹拌、(4)18℃の10mMCaCl水溶液中で3分間撹拌、(5)18℃の1mMCaCl水溶液中で3分間撹拌。調製した各種あらいの筋肉収縮は、明度、硬直度、レオナーによる破断試験により評価した。また、各種あらいを6%過塩素酸溶液で抽出しエキスを調製し、アデノシン三リン酸および乳酸を定量した。
【結果】即殺直後および6時間貯蔵した筋肉からは、いずれの処理条件でも、あらいを調製できた。しかし、筋肉の収縮程度は、処理条件により異なった。47℃処理あらい、100mMおよび10mMCaCl処理あらいにおいて、筋肉の硬直が強く、破断荷重が大きかった。1日貯蔵した筋肉では、100mMおよび10mMCaCl処理あらいにおいて、硬直が認められた。2日間貯蔵した筋肉からは、全ての条件であらいを調製することができなかった。あらい処理に用いる水に10mM濃度以上のカルシウムを添加すれば、極めて活きの良い魚を用いなくてもあらいを調製できることが明らかとなった。
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© 2004日本調理科学会
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