日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成16年度日本調理科学会大会
セッションID: 1C-a4
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一般講演
ゴマ豆腐の力学特性に及ぼす澱粉の種類の影響
*佐藤 恵美子中野 恵利子渡辺 正秀
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抄録

「目的」ゴマ豆腐の物性に及ぼす調製条件、配合割合、ゴマの種類や焙煎条件の影響について報告した。今回はゴマ豆腐の力学特性に及ぼす澱粉の種類の影響について報告する。
「方法」供試材料は皮むき白ゴマ((株)かどや製油製、中国産、2003)。澱粉は(株)井上天極堂製で、本葛澱粉(古希、純度99.9%、高価)、サツマイモ澱粉(並葛、鹿児島産、精製度は低い)、甘藷澱粉(葛城葛、さつまいも澱粉を風乾)、タピオカ澱粉(タイ産の加工澱粉、2003)である。皮むき白ゴマ40gを450gの水と共に粉砕、濾過して得られたゴマ乳435gに各種澱粉40gを加えた懸濁液を電熱器により、250rpm、25分撹拌加熱した。熱い懸濁液をガラス製円筒器(20×20mm)に入れ凝固させた試料をクリープメーター(REー3305,山電)により、40mm直径のプランジャーを用いて、テクスチャー測定、破断測定を行った。組織構造観察はチルドSEM(日立)を用いた。さらに、官能検査も行った。
「結果」硬さ、凝集性共に各種澱粉ゴマ豆腐よりも澱粉ゲルの方が高い値を示し、硬さはタピオカ、本葛、サツマイモ(並葛)、甘藷(葛城葛)の順に、また凝集性はタピオカ、さつまいも、甘藷、本葛の順に高い値を示した。付着性は各種ゴマ豆腐の方が、澱粉ゲルよりも高い値を示し、いずれも本葛が最も高くタピオカが最も低い値を示した。破断応力は、葛、サツマイモ、甘藷は澱粉ゲルの方が高い値を示した。澱粉ゲル、ゴマ豆腐共に、応力の高いのはタピオカであり、本葛は最も低い値を示した。破断歪率の順位は、凝集性と類似していた。官能検査の結果から、粘りが強く、糯様の食感のあるタピオカゴマ豆腐の評価が低く、軟らかさ、弾力があって歯切れの良さから本葛ゴマ豆腐が最も高く評価された.

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© 2004日本調理科学会
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