日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成16年度日本調理科学会大会
セッションID: 1A-a8
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一般講演
発芽玄米粉の添加が蒸しパンの性状および食味におよぼす影響
中里 トシ子長谷川 千佳子*岡崎 有希子
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抄録

目的:発芽玄米は白米に比べギャバ、食物繊維、抗酸化物質、ミネラルなど多くの栄養成分を含み、生活習慣病の予防に有効とされ、健康食品として注目されている。今回は発芽玄米の粉を小麦粉の一部と置換した蒸しパンとさらにバイタルグルテン(以下V.Gとする)を添加した発芽玄米粉添加蒸しパンを試作し、性状および食味について検討した。
 方法:試料は発芽玄米を粉末にした発芽米粉を用いた。材料の配合は、粉{強力粉60g+(薄力粉+発芽米粉)140g}200gに対し、砂糖20g、塩1g、植物油20g、ドライイースト4g、ぬるま湯100ml、ベーキングパウダー3gとし、粉に対する発芽米粉の置換率は0%、10%、20%とし薄力粉と置換した。生地の調製はレディースニーダーで行った。型入れ後二次発酵し、蒸し器で加熱した。蒸し上がり後、常法により、比容積、水分量、色調を測定し、クリープメーターにより、かたさ応力、凝集性を測定した。また、官能検査及び写真撮影を行い、併せてパン生地の膨化率を測定した。
 結果:発芽米粉の置換率20%の生地の膨化率が低かった。発芽米粉置換率20%の蒸しパンは、比容積と凝集性の値が最も低く、かたさ応力の値が高かった。V.G添加の影響は、発芽米粉置換率20%に見られ比容積と凝集性の値が高くなり、かたさ応力の値が低くなった。色調のL値は発芽米粉の置換率増加に伴い低い値を示した。a値、b値はいずれも発芽米粉の置換率増加に伴い値が高くなった。官能検査の結果は総合評価において発芽米粉の置換率10%および置換率10%にV.Gを添加した蒸しパンが高い値を示し、順位法では発芽玄米粉置換率10%にV.Gを添加した蒸しパンが最も好まれた。

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© 2004日本調理科学会
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