日本調理科学会大会研究発表要旨集
創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
セッションID: P-46
会議情報

ポスターセッション
酢およびキウィで前処理した廃鶏の肉の組織構造の変化および食味への影響
*佐藤 靖子大山 沙耶子柴田 美和松本 有紀子鈴木 惇
著者情報
キーワード: , 廃鶏, 加熱, , キウィ
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録


【目的】
 廃鶏は、ブロイヤーよりも飼育期間が長いため、結合組織が発達して硬い肉となっている。この硬い肉の軟化させる酢およびキウィで前処理を行い、結合組織および筋束の変化を食品組織学的に調べた。また、食味への影響を調べた。
【方法】
 廃鶏のムネ肉を2.5×2.5×1.2cmの大きさで採取し、酢、キウィおよびそれぞれに15%の砂糖を加えた漬け汁に5時間浸漬した。浸漬した肉は、未加熱および15分間茹でて材料とした。材料は5mmの厚さに採取した後、10%ホルマリン液で固定し、パラフィンで包埋して薄切した。切片はピクリン酸とシリウスレッドの混合液によるピクロシリウス(PS)により染色した。
【結果】
 酢で前処理した肉の筋上膜は、大部分が分離して加熱後剥離した。砂糖添加では、筋上膜は分離せず、加熱後、膠原線維は互いに接合した。筋周膜および筋内膜は、表層部位では変化が大きく、内部では小さかった。加熱後は、酢では筋束間が大きく広がり、砂糖添加では小さかった。
 キウィで前処理した肉の筋上膜は、大きな変化はなかった。砂糖添加では、大部分が崩壊した。肉の表層部位は、キウィでは一部の筋線維が崩壊し、砂糖添加では筋周膜に変化がみられた。加熱した肉では、筋上膜はすべて剥離し、筋束および筋線維間には可溶性成分が溶出した。  酢に漬けた肉は、寒天様の食感になり、キウィに漬けた肉は、細かく砕けてざらついた。

著者関連情報
© 2007日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top