日本調理科学会大会研究発表要旨集
創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
セッションID: 2D-p1
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口頭発表
鶏肉の加熱調理方法による旨み成分の変化
*粟津原 元子田中 佐知早瀬 明子花坂 照彦畑江 敬子香西 みどり
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抄録


【目的】
 鶏肉の旨み成分であるイノシン酸およびグルタミン酸量は鶏肉の加熱中に変化する事が知られている。一般にグルタミン酸などのアミノ酸はプロテアーゼの作用により加熱中に生成された後分解され、イノシン酸はフォスファターゼの作用により加熱中に分解して減少すると考えられている。本研究では、鶏肉の加熱調理方法として急速加熱,緩慢加熱および急速加熱と緩慢加熱の組合せ加熱を考え、加熱中の温度履歴と鶏肉の旨み成分との関係を検討した。
【方法】
 鶏モモ肉ミンチ260gを直径120mm×高さ20mmの円柱状に成型したものを試料に用いた。加熱条件は、緩慢加熱(オーブン210℃、35分加熱),急速加熱(レンジ500W、7分加熱),4種類の組合せ加熱(レンジ3分+オーブン30分、レンジ4分+オーブン25分、レンジ5分+オーブン20分、レンジ6分+オーブン15分)とし、それぞれ試料中心温度が80℃になるまで加熱を行った。それぞれの試料からPCAにより可溶性成分を抽出し、核酸関連物質をHPLCで、アミノ酸をアミノ酸分析計でそれぞれ測定した。
【結果】
 グルタミン酸は緩慢加熱では加熱の初期の段階でやや増加したものの、焼き上がりの時点では生肉に比べてやや少なくなった。急速加熱では緩慢加熱に比べて、グルタミン酸の減少率が大きく、生肉の88%になった。イノシン酸は緩慢加熱では生肉の屋16%にまで減少したが,急速加熱では生肉の65%にとどまった。組み合わせ加熱では、グルタミン酸量は組み合わせのパターンに関わらずやや減少したが、イノシン酸は始めの急速加熱が長く、その後の緩慢加熱が短いほど減少が抑制され、旨み成分の保持に効果があった。

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© 2007日本調理科学会
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