日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-19
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ポスタ-セッション
ジャガイモ主原料菓子のDPPHラジカル消去活性
*奈良 一寛東 千華前田 直美篠崎 真由美古賀 秀徳
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抄録

【目的】
 一般にジャガイモは,デンプンが主成分ではあるが,ビタミンB1,C,葉酸,カリウムなどの優れた摂取源となることが知られている。また、遊離型フェノールとしてクロロゲン酸が含まれることが報告されている。一方で、ジャガイモを主原料とするフライ加工食品においても、短時間で調理加工が終了することから、様々な栄養成分が残存していることが明らかとなっている。したがって、ジャガイモだけでなく、ジャガイモを主原料とした菓子においても、ビタミンCおよびクロロゲン酸による抗酸化作用の効果が期待できるのではないかと思われる。そこで、本実験では、ジャガイモ主原料菓子の抗酸化活性について検討するとともに、その活性に寄与する成分についても検討した。
【方法】
 ジャガイモを主原料とするフライ加工食品を試料とした。ミキサーにて粉砕した試料にヘキサンを加え、攪拌し、ろ過することで脱脂粉末を得た。その一部に50%エタノールを加え、抽出し、遠心分離後の上清を抗酸化活性および成分分析に用いた。抗酸化活性はDPPHラジカル消去活性を用いて評価した。
【結果】
 ジャガイモを主原料とするフライ加工食品の脱脂粉末ではDPPHラジカル消去活性が認められた。ラジカル消去活性に関与する成分について検討したところ、アスコルビン酸が主要な成分であった。また、クロロゲン酸もラジカル消去活性に寄与していたが、アスコルビン酸に比べると、その程度は小さかった。さらにフライ加工食品には、褐変反応生成物も存在し、それもまたラジカル消去活性に寄与していることが示唆された。
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© 2008日本調理科学会
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