日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成22年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-18
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ポスターセッション
規格外ジャンボ西瓜果汁の濃縮とジャム加工
*高柳 千秋深井 康子
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抄録
【目的】富山県入善町で生産されるジャンボ西瓜は代表的な特産物であり、その規格外西瓜は全体の約50%を占める。しかし規格外であっても独特の風味と食感を有しており生食する分には規格と比べても味の損失はない。本研究では、規格外の西瓜を用いて液状食品を加工する上で必要な西瓜の濃縮条件の検討を行い、西瓜ジャムの加工開発を試みた。
【方法】試料は、規格外の西瓜を搾汁した果肉入り果汁を用いた。果汁の濃縮はエバポレーター(N-1100 東京理化器機械(株)製)を用い、蒸発法により行った。ウォーターバス内の水温を20℃、30℃、40℃、50℃に設定し各々2時間濃縮した。生果汁と各濃縮果汁の濃縮率、一般成分、機能性成分(シトルリン)及び総カロテンを測定した。また糖度(APAC-J アタゴ(株)製)及び色調(分光光度計CLR-7100F (株)島津製作所製)を測定し生果汁と濃縮果汁を比較した。さらに最適濃縮条件に基づいて西瓜ジャムを調製し、官能評価を行った。
【結果】一般成分は生果汁と比べて濃縮温度による影響は見られなかった。シトルリンは40℃、50℃において生果汁の約2.2倍、4.1倍、総カロテンは約1.6倍、4.0倍となり、シトルリンと総カロテンは50℃で高くなった。糖度は20℃、30℃で変化がなく、生果汁と比べて40℃で6.2Brix%、50℃で27.0Brix%増加し、濃縮率は40℃で54.0%、50℃で82.8%となり、50℃では著しく糖度と濃縮率が高くなった。色調は、L値が高い順で20℃、40℃と高く、50℃で最も低く暗赤色となった。以上より、西瓜果汁をジャム加工に用いるには、色調と濃縮率の点から40℃が最適であると考えられる。
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© 2010日本調理科学会
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