日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成22年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-19
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ポスターセッション
ルバーブの抗酸化活性と調理特性について
*荒木 裕子大嶋 健一
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抄録
【目的】ルバーブはシベリア原産のタデ科の多年草で、葉柄部分のみが食用に利用されている。外観は蕗に似ているが、強い酸味と独特の風味がある。ルバーブは長野県や神奈川県で栽培されているが、まだ流通量は少なく、消費者にもその利用法があまり知られていない。そこで本研究では、ルバーブの機能性の一端を知るため、抗酸化活性とポリフェノール含量を測定し、調理加工特性についても検討も試みた。 【方法】ルバーブは長野県原村産(10月収穫)の葉柄部が赤色のものを用いた。抗酸化活性はDPPHラジカル捕捉活性を調べ、ポリフェノール含量はフォリンデニス法でクロロゲン酸相当量として求めた。ルバーブの加工特性として加熱による軟化性をテクスチャアナライザーで調べた。また、糖添加量の異なるジャムを製造し官能検査を行った。 【結果】生鮮ルバーブのポリフェノール含量は100mg/100gで、比較試料として用いたホウレンソウ、シュンギク、ダイコン、フキ等の野菜の中では中程度の含有であった。DPPHラジカル捕捉活性を調べたところ、ルバーブは試料原液で97%と高い活性を示し、ホウレンソウやシュンギクに匹敵する強い活性が見られた。ルバーブ加熱特性を調べた結果、ルバーブは熱軟化性を持ち、加熱時間30秒で軟化が開始し、2分から3分で葉柄部の皮部の剥離と崩壊が確認された。このことから、製菓等の材料として生ルバーブを用いてルバーブパイ等の製造を行った結果、極めて短時間での加工が可能であることが確認できた。砂糖添加量の異なるジャムを製造し、糖度、滴定酸度、官能評価を行った結果、官能評価では低糖添加区より高糖添加区のほうがルバーブジャムとして好まれる結果となった。
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© 2010日本調理科学会
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