日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成22年度日本調理科学会大会
セッションID: 2D-p6
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口頭発表
市販黒ゴマプリンのゴマ含量と嗜好性について
*長島 万弓武田 珠美福田 靖子
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抄録
【目的】ゴマは古来、健康に良いとされ利用されてきたが、近年は菓子類やデザート類としてもゴマを使った商品が多く市販されている。ゴマの健康増進効果に対する期待が示唆されるが、実際にこれらの商品にどの程度のゴマが使われているかの情報はほとんどない。今回は市販の黒ゴマプリンに含まれるゴマ量とその嗜好性との関連について検討した。
【方法】手作り黒ゴマプリン(A)および5種類の市販黒ゴマプリン(B)~(F)を試料とし、これらを凍結乾燥後、酢酸エチルで抽出し、その抽出物のHPLC分析によりセサミンを定量した。手作りプリンに使用したゴマ量と測定したセサミン含有量の関係が、これまでに測定した炒りゴマ中のセサミン量の平均値とほぼ一致したので、この値を用いて、ゴマプリン中のセサミン量からゴマ量を換算した。官能検査は、(A)~(D)の4種類のプリンを用い、「色」「香り」「甘味」「食感」「見た目」「こく」「総合」の7項目に対しての嗜好性を5点満点で評価すると同時に、ゴマの含有量が多いと感じる順位付けおよび好みの順位付けをおこなった。
【結果】セサミン含量から換算した市販黒ゴマプリンのゴマ量は、2.0%~7.9%と商品により差がみられ、手作りプリンの9.1%よりもいずれも低い値であった。官能検査でのゴマ含有量が多く感じられる順位が、セサミン含量からの換算値の順位と一致するパネルは7名中3名であった。(D)は市販品では最もゴマ含有量が高く、嗜好性評価の「色」「見た目」「こく」「総合」において高評価となったが、好みの順位としては手作りプリン(A)が有意(P<0.05)に好まれた。ゴマ含有量の感じ方や嗜好性は、製品の「食感」「見た目」「色」「甘味」および材料として使われた乳製品や砂糖などの種類と割合などに影響されていた。
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