日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a4
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口頭発表
関東における和菓子の喫食状況調査(第2報)
*芝崎 本実渡辺 敦子名倉 秀子
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抄録

【目的】現代社会における食生活の洋風化に伴い,和菓子の喫食頻度は減少傾向にあるとされ,親世代が和菓子を喫食しないために和菓子の喫食経験や知識が皆無という子どもも多く,食文化の継承が懸念されている.第1報ではそれらのことを踏まえ,関東における将来食に携わる資格を取得する学生と親世代を対象に和菓子の喫食状況調査を行い,世代間,学校間,地域間により和菓子の喫食状況が異なることを報告した.本報ではさらに30種類の和菓子別に喫食状況および飲み物の関係についての結果を報告する.
【方法】関東に所在する管理栄養士養成校および製菓衛生師養成校3校の学生(18~20歳)とその親(30~50歳代)を対象(373人×親子)とし,平成23年12月~平成24年2月に和菓子についての調査票を配布し,自己記入留め置き式によるアンケートを実施した.質問項目は30種類の和菓子の認知度,嗜好性,喫食状況,調達方法,飲み物,調理意欲といずれも選択肢回答を設定した.
【結果】調査票は255部が回収された.30種の和菓子の中で串だんごは嗜好性(学生99.1%,親世代89.4%),調理意欲(学生66.6%,親世代55.7%)が共に高く,おはぎ・ぼたもちも同様であった.練り切りは嗜好性(学生33.7%,親世代46.7%),調理意欲(学生22.0%,親世代7.5%)共に低く,和菓子の嗜好性が低いと調理意欲も低い傾向が見られた。串だんごの調達方法は,和菓子店(25.6%)よりも量販店(67.9%)が多く,おはぎ・ぼたもちでは,和菓子の中で家庭で作る(32.4%)が最も多く出現した.水羊羹では到来品(26.9%)の喫食もみられた。特に親世代は到来品による喫食が多かった.和菓子の喫食時の飲み物はいずれの和菓子においても学生,親世代で煎茶が最も多かった.親世代は次いでコーヒーを組み合わせて喫食する傾向が見られた.

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