日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1P-28
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ポスター発表(1日目)
商業施設におけるエコ・クッキングモデル事業効果
*三神 彩子上南 昭子森 友子長尾 慶子
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抄録

【目的】エコ・クッキング導入の効果について、これまでに家庭および商業レストランにて、エネルギー、水、ごみおよびCO2排出量削減効果を確認している。本研究では、食にかかわる様々な形態の厨房業務での汎用性を確認することを目的とし、富山県生活環境文化部環境政策課の協力を得、3つの異なる業態においてモデル事業を実施し効果を検証した。
【方法】これまでの知見から導き出された28項目に沿って現在の取り組みを洗い出し、事業所ごとの重点課題を抽出した。事業実施期間は平成23年10月~平成24年3月である。
飲食業(和食店):食べ残しの削減、水使用量の削減
弁当製造販売業:生ごみ削減、エネルギー使用量の削減
小売業(スーパー総菜部門):エネルギー使用量の削減、エコ・クッキング情報の発信
【結果】重点課題に取り組むことで、導入後半年で下記の効果を確認した。飲食業においては、食べ残しの水分除去および提供量の適正化等で食べ残し量を約40‐60%、溜め水利用や調理工程の見直し等で水使用量の約30%の削減効果を得た。弁当製造販売業においては、盛り切れない惣菜の削減などで約7%の削減効果を得たものの、今後の課題として、盛り切れない乾物を使った惣菜の想定出来上がり量と実測量との乖離や、一定の惣菜に食べ残し傾向があることを確認した。エネルギー使用量は、適切な段取り、調理機器のアイドリング防止、各部門の速やかな節電行動等で、電気使用量約6%、ガス使用量約2%の削減効果を得た。小売業においては、調理機器の使い方の見直し、定位置管理など業務改善につながった。情報発信効果として30-40代主婦層に訴求力があることが明らかとなった。

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