日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1E-a4
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口頭発表
ゴボウに含まれるレスベラトロール類の含有量と加熱方法の影響
*村上 崇幸大﨑 宏樹井上 淳詞安斎 和之石原 浩二益岡 輿芳
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抄録

【目的】レスベラトロール類は、ぶどうの皮や赤ワイン、ピーナッツの赤皮、メリンジョ(グネツム)、イタドリの根等に多く含まれているポリフェノールの一種である。我々は新たにゴボウの皮にもレスベラトロール類が含まれることを見出した。そこでゴボウのレスベラトロール類の含有量や構造変化と、調理方法との関係を明らかにし、レスベラトロール類を効率的に摂取できる加熱方法を検討した。
【方法】ゴボウ試料は青森県産の柳川理想ゴボウを用いた。調理方法は「炒め」、「焙煎」、「乾燥」、「電子レンジ加熱」、「茹で」、「油調」とし、比較対照は生のゴボウをそのまま用いた。各方法により調理したゴボウは、直ちに液体窒素で急速凍結し凍結乾燥した。試料を乳鉢にて粉砕し、50%エタノールで抽出を行い、HPLC及びLC/MSを用いて測定した。
【結果】生ゴボウの凍結乾燥品にはトランス-レスベラトロールが含まれること、特に、中心部(維管束部)よりも皮(皮層部)に多く含まれることを確認した。また、調理条件別のトランス-レスベラトロール含有量について検討した結果、180℃、5分間の炒め処理をしたもの、フライパンで180℃、20分間の焙煎処理をしたもの、105℃の乾熱機内で5時間の乾燥処理をしたもの、95℃の熱湯で20分間茹でたもの、180℃の油で6分間揚げたものについて含有を確認した。特に焙煎処理したごぼうについては含有量が多い傾向にあることを確認した。
以上の結果から、加熱条件を選ぶことでレスベラトロール類を多く含むゴボウが得られる可能性があることを確認できた。

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