日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a2
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口頭発表
栄養士・管理栄養士養成課程の調理実習が学生の厨房業務に対する意識に及ぼす影響
*木村 留美白砂 千登勢杉山 寿美
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抄録

【目的】栄養士・管理栄養士養成課程の学生が調理実習をどのように捉え,栄養士・管理栄養士業務とどのように関連させて理解しているのかを明らかにすることを目的とした。
【方法】広島県の栄養士・管理栄養士養成課程3校の学生264名を対象とし,2013年2月に調査を行った。項目は,1)調理実習の教育目標の理解,2)習得内容の給食実習への展開,3)厨房業務の目的,4)厨房業務への意欲とした。
【結果】1)いずれの大学の学生も調理実習の教育目標を「様々な食材や料理を知る」「調理工程を知る」「美味しく作る」と理解していたが,「調味割合を知る」「食中毒をおこさない」は大学間で差が認められた。また,「料理を組み合わせる」を理解していた学生は51.1%だった。2)調理実習での「調理技術指導」「調味割合の確認・算出」「様々な食材,料理の調理」が給食実習に役立ったと多くの学生が回答した。3)学生は,栄養士・管理栄養士の厨房業務の目的を「栄養管理業務のため」「献立作成業務のため」「衛生管理」と捉えていた。教育目的として十分に理解されていなかった「料理を組み合わせる」ことは,栄養管理・献立作成には必須の知識であり,学生は厨房業務を曖昧に捉えていると考えられた。4)栄養士・管理栄養士に厨房業務が必要であると98.1%の学生が回答し,「栄養管理業務のみ」を希望する学生は少なかった。厨房業務を行いたい理由は,A大「美味しいものを提供したい」「調理が楽しい」,B大「美味しいものを提供したい」「献立作成のため」「食材量の発注・管理のため」,C大「栄養管理業務のため」「献立作成業務のため」であり,大学で異なっていた。これらの結果から,学生の卒後を考えた調理実習のあり方を検討する必要があると考えられた。

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© 2013 日本調理科学会
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