日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a4
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口頭発表
小学生のガスコンロ調理実習体験による意識と行動の変化に関する実証的研究
福永 淑子前田 文子*宇都宮 由佳田渕 弘子瀬尾 弘子
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抄録

【目的】家庭の調理にはガスあるいは電気(IH)を熱源とする方法があり、両者の主な違いは一方は炎が見えること、炎を見ながら火力調節し、加熱することである。本研究は、炎を見ながら調理する経験が、小学生の炎を扱う感覚、ならびに調理に対する意識や意欲に与える影響を知るために行った。さらに、実習を繰り返すことによって、それらがどのように変化するかを知ることを目的とした。
【方法】普段、炎を使う調理経験の少ない児童(市川市内の小学5、6年生、計22名)に、約1時間以内の炎を使うガスコンロ調理(以下、ガス調理)を平成25年3月から1か月おきに4回、料理数を1品ずつ増やしながら体験してもらった。小学生とその親を対象にアンケートを実施し、ガス調理に対する意識や行動に関して1~5点で評価させた。アンケートは事前、第3回、第4回、実習終了2か月後の計4回である。実習中の様子を動画記録し、時系列でその変化について分析した。また、実習終了後に「今日、気がついたことや注意した点」などについて聞き取り調査した。
【結果】アンケートについて、事前と第3回目の結果を比較したところ、実習を経てガス調理に対する「怖さ」の値は減り、「調理に集中できる」「簡単に調理できる」が増加した。一方、「料理が上手くできる」は、うまく焼けない苦い体験をした結果、低い値となった。「時短になる」「楽しいと思う」等には変化がなかった。また、「自分で作りたい」「誰かに作って食べさせたい」「誰かに自慢したい」という意欲が上がり、7割の児童が実習で習った料理を家庭で作っていた。さらにガス調理を経験したことで、普段の生活でも「集中力、自信が増すと思う」との結果が出た。

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