日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a5
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口頭発表
保護者クッキング・親子クッキングから見える食支援のあり方
*駒田 聡子浅田 美知子
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キーワード: 食支援  , 保護者, 調理
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抄録

【目的】幼児期は咀嚼力を付ける、味覚を広げる臨界期で、味覚体験が重要である。そのためには、幼児の食生活を担う保護者自身がこの時期の食の大切さを理解し、さまざまな食材に出会う機会を作ることが重要だが、実際は幼稚園の弁当の中身が加工食品に依存しがちであったり、保育園児が「おかずはスーパーで買ってくる物」と話す姿がある。このような状況の中、三重大学附属幼稚園では「添加物を少なくし、素材から作る大切さ」を知ってもらう目的で、保護者クッキングと親子クッキングに取り組んだ。今回は参加者保護者の様子や感想から、今後の保護者に対する食支援のあり方について考察を加えた。【方法】(1)保護者クッキング:平成24年5月と11月2回開催。「素材から作る、野菜をとる、手早くできる、身近にある素材を使う」などをテーマに、献立を考案(1回目は、「15分でできるミートソース」2回目は、「ポトフ風スープ他」)。希望者が参加した。(2)親子クッキング:平成25年1月開催。年長親子全員が参加。先の目的に加え「子どもでも作れて達成感が得られる、親子でふれあう」をテーマにした(雪だるま寿司・スィートポテト)。【結果】これら実践を通し、保護者からは「少しの工夫により“身近な素材で簡単にできる”“添加物を減らせる”“子どもでも調理ができる”ことが理解できた」との感想が寄せられた。このことより、現在はさまざまなレシピに関する情報が流れてはいるが、言葉だけではなく「具体的に調理をする」という実践を通じて、「家でも、簡単に素材からおいしく、しかも栄養的にも配慮した料理を作ることができる」ことを保護者に理解してもらい、各家庭で学びを応用してもらう機会をもうけていく必要があることが分かった。 

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