日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2B-a6
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口頭発表
大豆たん白クッキーの物性および官能評価に及ぼす各種糖類の影響
*米山 陽子三星 沙織江木 伸子田中 直義平尾 和子
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抄録

【目的】前報において、分離大豆たん白質(以下、SPI)を用いたクッキーの大豆由来の特有な不快臭(以下、大豆臭)を軽減する調製方法を検討した結果、ショ糖配合比の高いクッキーが好まれた。本研究では糖の種類に注目し、各種糖類を用いて調製したSPI添加クッキーの物性測定および官能評価を行った。また、糖の置換量についても検討を行った。
 【方法】材料はSPI(㈱フジプロテインテクノロジー)、小麦粉(薄力粉:日清製粉㈱)、ショートニング(日本製粉㈱)、卵水(卵:蒸留水=1:1)を使用し、糖はグラニュー糖(㈱パールエース)をコントロールとし、トレハロース、マルトース(㈱林原)、ピュアトース(群栄化学工業㈱)を使用した。ドウはスピードカッターのプッシング機能を使用し調製した。焼成温度は160℃15分間とした。材料配合比は、前報の結果から最も好まれた配合とした。糖の置換量は、ショ糖の10%~100%とした。物性測定は、クリープメーターを用いて破断特性を測定した。官能評価は特性評価および嗜好について7段階評点法を用いて行った。
【結果】トレハロース100%のクッキーは硬くザクザクした食感となり、破断応力、もろさは大となり、官能評価ではショ糖の次に好まれた。マルトース100%は最も好まれなかったが、置換量が10%では食味が改善された。ピュアトース100%ではサクサクとした食感で破断測定でも細かく割れる傾向があり、特性評価では大豆のにおい・味が小さくなると評価され、10~20%置換では酸味や苦味等が低下し好まれた。大豆臭をマスキングする材料配合比においてショ糖100%では甘味が強すぎるため、3種の糖を10~20%程度置換することで甘味が抑えられた。しかし、糖質の種類により大豆臭の軽減には差がみられた。 

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