日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2B-p2
会議情報

口頭発表
微細大根を用いたきざみ食の食べやすさの検討
若年者パネルと高齢者パネルの比較
*岩崎 裕子立石 佳彰大越 ひろ
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

目的 病院や高齢者施設などで咀嚼機能が衰えた人を対象に提供されているきざみ食の食べやすさの改善を目的に、先行研究では微細大根にとろみあんをかけた試料を調製し、あんをかけることで食べやすくなることを明らかとした。本研究では、それら試料の混合割合および大根の硬さが食べやすさに及ぼす影響を、高齢者と若年者を被験者として官能評価を行い、力学的特性とあわせて検討した。
方法 試料は、低温スチーム加工をした4mm角の微細大根に、市販トロミ調整食品を白だしに添加しヨーグルト程度の硬さとしたとろみあんを混合した。1.混合割合の相違による比較のため、大根ととろみあんを重量比3:7、5:5、7:3(試料A、B、C)で混合した3種の試料、2.大根の硬さの相違による比較のため、大根の硬さを3段階に変化させた3種の混合系試料について、テクスチャー測定および官能評価を行った。
結果 1.混合割合の相違による比較において、官能評価の結果、高齢者群、若年者群いずれも、口中で感じるかたさは試料間に有意差が認められなかった。べたつき感は、あんの割合が最も多い試料Aが最もべたつくと評価された。一方、飲み込みやすさは、若年者は試料Aが最も飲み込みやすい傾向、高齢者は試料Bとなった。2.大根の硬さが異なる試料間において、高齢者、若年者いずれも、口中で感じるかたさは大根が硬い試料程かたいと評価した。一方、まとまり感と残留感は、若年者と高齢者で結果が異なり、高齢者はかたいと感じる試料ほど、まとまりにくく残留感が多いと評価した。とろみあんと混合しても、高齢者にとって、硬さの影響が大きいことが示唆された。 

著者関連情報
© 2013 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top