日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2D-p4
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口頭発表
塩麹の酵素活性の変動
*山本 直子大内 和美哥 亜紀
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抄録

【目的】 塩麹は、米麹に食塩と水を加え醗酵熟成させたもので、独特の風味とうまみのある調味料である。この塩麹に漬けた肉や魚はうまみが増し、軟らかくなると言われている。これは米麹が産生する酵素が関係していると考えられる。そこで、本研究では塩麹の熟成する過程でのα‐アミラーゼ、グルコシダーゼ、プロテアーゼ、カルボキシペプチダーゼについて、その酵素活性の変動を調べることとした。
【実験方法】 塩麹は、米麹に10%の食塩(市販品に準ずる)を加え、しっとりなじむまでよく混ぜ、水を加え懸濁させて調製した。調製後は20℃で7日間熟成させ、その後4℃で冷蔵保存した。調整0日から経時的に酵素活性を測定した。α‐アミラーゼ、グルコシダーゼ及びカルボキシペプチダーゼの活性測定はキッコーマン(株)醸造分析キットを用いた。プロテアーゼ活性は基準みそ分析法に準じて測定を行った。また、pH測定および塩分を測定した。市販塩麹については開封後直ちに、各酵素活性、pH、塩分測定を行った。
【結果】 調製した塩麹は0日から熟成完了の7日までの間で、酵素活性に大きな変動は見られなかった。調整後60日においてもほぼ同程度の酵素活性を有していた。市販塩麹は酵素活性があるものとないものに分けられた。活性のあった製品は今回調べた4つの酵素とも活性が見られ、活性のなかった製品は4酵素とも活性が見られなかった。すなわち市販塩麹では酵素が失活している製品も見受けられた。pHは調製および市販塩麹とも5.2~6.1と微酸性で、塩分は8.0~12%であった。

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© 2013 日本調理科学会
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