日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1B-a2
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口頭発表
福井県における秋祭り(行事食)の現状と地域性
*佐藤 真実谷 洋子
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キーワード: 秋祭り, 行事食, 福井県
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抄録

【目的】「食生活指針」や「食育基本法」においては、栄養面だけでなく地域特有の風土で培われた食嗜好(食文化)の重要性が指摘されている。日本調理科学会では、現在の調理文化の地域性を明らかにするために平成21年~23年度の特別研究の一環として行事食の認知状況や摂食状況などを調査した。その中で福井県は全国的に経験率が低い秋祭りについて比較的高い経験率を示した。本報では、福井県における秋祭りの現状と地域性を明らかにし、なぜ福井県は秋祭りの実施率が比較的高いのか検討することを目的とした。【方法】日本調理科学会特別研究の調査結果「調理文化の地域性と調理科学」データベースを使用した。福井県、全国(47都道府県全体)における秋祭りの現状(行事の認知や経験、各行事食の喫食状況)について集計を行った。また、谷らが実施した昭和57年、平成8年、平成18年の福井県の秋祭りに関するアンケート調査結果を使用した。【結果】秋祭りの全国的な経験率は25.7%とかなり低く、毎年食べるものとしては、ちらしずし(13.9%)、赤飯(12.0%)、巻きずし(9.4%)の順であった。北陸3県は経験率が49.4%、福井県は41.0%と高かった。福井県ではちらしずし(44.8%)、赤飯(23.2%)、もち(10.3%)が食べられており、地域性があるが押しずし(ますずし)を食べる割合も高い。秋祭りは「恒例行事として実施」(78.0%)、「毎年の献立は大きく変化しない」(82.0%)、行事食をやめてしまう理由は「人が集まらない(子供が大きくなった)」(61.0%)であった。秋祭りの実施率は昭和57年(51.0%)、平成8年(50.8%)、平成18年(40.3%)と減少が緩やかである。福井県は同居、近居の割合が高く、秋祭りが実施されやすい環境にあると考えられた。

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