日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成26年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1P-60
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ポスター発表
女子学生における新たなフードファディズム尺度作成の検討と精神的健康との関係
*土岐 信子
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抄録

【目的】フードファディズムとは、食物や栄養が健康や病気に与える影響を過大に信じることや評価する異常な食行動である。つまり食べ物や栄養が本来持っている働きよりも、それ以上に健康効果を期待する食行動であると考えられる。このフードファディズムを測定する尺度が無かったことから、先行研究では女子学生を対象としてフードファディズム尺度の作成を行った。先行研究より時間が経過し、それ以降は尺度の見直しを行っていなかったことから、今回再び女子学生を対象として新たな尺度作成を行った。そして、その尺度を利用し、フードファディズムと精神的健康との関係を調査することを目的とした。
【方法】女子学生を対象に2013年7月にアンケート調査を実施した。記入もれや記入ミスのあった回答を除いた242名(平均年齢19歳)を分析の対象とした。分析には、Windows版SPSS統計パッケージを使用した。
【結果および考察】フードファディズム尺度の因子構造を明らかにするために、各項目の粗点に基づいて最尤法、プロマックス回転による因子分析を行った。その結果、健康情報の影響、食品のカロリー、食品の安全性、正しい食生活、食品への依存、トクホ、ジャンクフードの7因子27項目のフードファディズム尺度が作成された。因子には、先行研究では抽出されなかったジャンクフード、トクホなど現代の食生活に影響を与えていると考えられるものが抽出された。フードファディズムと精神的健康との関係では、食品のカロリー因子において、食品のカロリーを気にする人ほど精神的健康が低い傾向であり、正しい食生活因子については、正しい食生活を行えていない人ほど精神的健康が低い傾向であった。

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