抄録
[目的] かつお節に含まれる血合肉の部分は普通肉のそれと比べて、うま味が弱く異味や「くせのある味」をもつことが知られている。すでに普通肉と血合肉から調製した「だし」の成分(エキス成分)を分析し、その主要なものについて報告した。今回はこの「だし」に含まれる含窒素エキス成分をさらに詳細に分析し、結果を相互に比較した。
[方法] かつお節(本枯節および荒節)の普通肉および血合肉から常法により「だし」をとり、その中に含まれる遊離アミノ酸、核酸関連物質、その他の成分をアミノ酸自動分析計、HPLC法、イオン交換クロマト法などによって分析した。なお、エキス窒素量はケールダール法によって測定した。
[結果] エキス中に含まれる主要な成分は、遊離アミノ酸ならびにタウリン、β-アラニン、オルニチン、アンセリンおよびカルノシン、核酸関連物質、クレアチン、クレアチニンなどであり、これらの中でも比較的含量が多いものは、タウリン、ヒスチジン、アンセリン、イノシン酸、イノシン、クレアチンおよびクレアチニンであった。本枯節および荒節ともに血合肉よりも普通肉の方に多い成分はヒスチジン、アンセリン、イノシン酸、クレアチン、クレアチニンであることがわかった。さらに、これら主要成分の窒素含量の合計はエキス窒素量の70~75%であることが明らかとなった。血合肉のもつ特有の異味や「くせのある味」に関連する成分については不明で、今後さらに検討を必要とする。