日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-70
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ポスタ―発表
海苔に含まれる機能性成分・ポルフィランの食品に対する効果
*角田 万里子壽 沙那恵井奥 静中田 忍
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抄録

【目的】ポルフィラン(POR)は海苔の原料であるスサビノリ(紅藻類、Porphyra yezoensis)などの細胞壁に含まれる硫酸化多糖であり、海面で生育するノリ細胞にとって本来は紫外線や熱、乾燥に対する防御機能を担う成分と考えられている。PORは強い粘性を有し、水溶性食物繊維の一種として様々な生理活性を示すことが知られている。
 そこで食品に添加した場合、どのような機能を示すのかトレハロースと比較検討した。
【方法】】PORの抽出:乾燥スサビノリ粉末(50g)を脱脂後、加圧熱水抽出(120℃、15分)し酢酸Naを添加、エタノールを用いて分離抽出し凍結乾燥した(17.4g、収率34.8%)。保水性の検討:スティック状のキュウリ(約5×2×2cm)を1%POR水溶液に30分間浸漬後取り出し、12時間後の水分の減少率を算出した。変色抑制効果:リンゴ80gを1%POR水溶液に10分間浸漬後すりおろし、着色状況を経時的に観察した。メレンゲの安定性:卵白重量の1%のPORを添加してメレンゲを調製し、離漿水を経時的に測定した。
【結果および考察】保水性:POR水溶液で処理した試料は無処理に比べ減少率が5%低く、1%トレハロース溶液の場合と差がなかった。変色抑制効果:無処理では5分後には変色が始まったが、POR水溶液処理では60分後まで変色は抑制され、同じ濃度でのトレハロース溶液よりも長時間の効果が示された。メレンゲンの安定性:PORまたはトレハロースの添加の場合出来上がりのつやがよく、離漿水は無添加の場合よりも30%以上減少し、メレンゲの安定性に寄与することが示された。PORには低濃度で保水性、変色抑制、メレンゲ安定性などの効果を有することが示された。一般にトレハロースより低濃度での利用が可能であり、色落ちなど製品として適さない海苔の有効利用として期待できる。

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