日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-02
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ポスタ―発表
大麦置換飯の醤油添加による影響
*青木 友紀子三星 沙織古谷 彰子米山 陽子藤谷 朝実栁澤 貴司吉岡 藤治青江 誠一郎平尾 和子
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抄録

【目的】前報において,もち種米粒麦を用いて加水量,浸漬時間等の炊飯条件を物性および官能評価から決定し,50%までの大麦置換飯は日常の主食として利用可能であることを明らかにした。しかし,色,麦のにおい,味の項目で米飯に比べて嗜好性が劣ったため,これらを改善する必要性があった。そこで,醤油等を用いて味付け麦飯を炊飯し,麦飯に及ぼす影響を検討した。さらに,3種の米を用いて大麦置換飯に適した米の品種についても検討した。
【方法】大麦はもち種米粒麦(きらりもち,農研機構:以後,麦と略)を用い,精白米(以後,米と略)は北海道産ななつぼし,茨城県産こしひかり,茨城産ミルキークィーンを用いて各々50%大麦置換飯を調製した。調味料は,濃口醤油((株)キッコーマン),食塩((財)塩事業センター)を用いた。炊飯にはIH炊飯器(Panasonic SR-HD103)を用い,加水量は,米の1.5倍と麦の2.2倍を合わせたものとし,45分浸漬後普通炊飯を行った。物性はテンシプレッサー(My BoyⅡ,(有)タケトモ電機製)で測定し,官能評価は7段階評点法,2点嗜好試験法および自由記述で評価した。パネルは24-70歳の本学専門パネル16名とした。β-グルカンの定量にはAOAC公定法のβ-グルカン測定キット(Megazyme社)を使用した。
【結果】醤油および塩の添加による物性値に有意の差はなかったが,官能評価では醤油添加した飯が,つや,味,麦の臭いの項目で有意に好まれた。また,醤油添加によるβ-グルカン量の変化は見られなかった。次に,異なる3種の米を用いて醤油添加・無添加の大麦置換飯を比較したところ,いずれの場合も,ななつぼしを用いた大麦置換飯において物性値では粘りが有意に小さく,官能評価の特性評価では有意につやがないと評価された。醤油添加では,嗜好のつやと総合評価の項目においてアミロース含量の低いミルキークィーンが有意に好まれた。

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