日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-07
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ポスタ―発表
微細米粉を用いたスポンジケーキ作製時の粉合わせ程度が生地および製品に及ぼす影響
*野口 聡子大喜多 祥子樋上 純子八木 千鶴山本 悦子米田 泰子渡辺 豊子
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抄録

【目的】近年、微細粒に製粉された米粉がパン・ケーキ用として普及してきた。そこで微細米粉を用いたスポンジケーキ作製時の粉合わせ程度の違いが生地および製品に及ぼす影響を検討し、米粉スポンジケーキに適した調製方法を探ることを目的とした。 【方法】材料配合は、卵、グラニュー糖、米粉または小麦粉を5:3:3とし、米粉は気流粉砕法で製粉した栃木県産「あさひの夢」(株式会社波里)、小麦粉はバイオレット(日清製粉株式会社)を用いた。スポンジケーキの生地調製方法や焼成方法は既報(日本調理科学会誌48,112-121)に準じ、起泡卵に粉を加えた後の粉合わせ回数を25,65,105,145回の4段階とて比較した。生地の密度・粘度・水分量の測定と顕微鏡写真撮影、および製品の高さ・重量・色・物性の測定と官能評価を行った。 【結果】生地密度は、粉合わせ回数が多いほど大きくなるが、その変化は米粉の方が小麦粉に比べ小さかった。製品中央高さは、米粉では25,65,105回間に差はなく、小麦粉では回数が増すほど製品高さは低くなった。端高さは、回数が多いほど低くなるが、その変化は米粉の方が小さかった。製品内部の硬さは、回数が多いほど硬くなるが、その変化は米粉の方が小さく、米粉145回の硬さは小麦粉65回より軟らかかった。また上面中央部や上面端部の硬さは、米粉25,65,105回間に差はなかった。製品の官能評価では、米粉65回(密度0.38)と105回(密度0.41)が共に小麦粉25回(密度0.33)と差がなく、米粉25回(密度0.31)が劣ることから、米粉では小麦粉に比べ、多くの粉合わせ回数が必要であり、生地密度は0.38-0.41程度が適当と考えられた。

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