日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1E-a4
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口頭発表
発酵過程におけるプチヴェールの機能性成分の変化
*山田 千佳子鈴木 美沙和泉 秀彦
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抄録

【目的】プチヴェールは、ケールと芽キャベツの交配により生まれたアブラナ科の新野菜である。これまでの研究結果により、プチヴェールには機能性成分として、ポリフェノールなどの抗酸化物質が含まれていることが分かっている。しかし、調理・加工によって、それらの機能性成分がどのように変化するのかについては明らかでない。そこで本研究では、プチヴェールを発酵させて作られるプチヴェール酢に着目し、発酵過程における機能性成分の挙動を明らかにすることを目的とした。
【方法】プチヴェール水抽出液を滅菌し、イーストとグルコースを加えて30℃で7日間発酵させた。発酵2、4、7日目にプチヴェール液を採取し、ろ過および脂質除去を行い濃縮した。その後、溶液中のポリフェノール量、抗酸化活性、アスコルビン酸量を測定し、経時的な変化を調べた。さらにHPLCにより成分の変化についても解析を行った。
【結果】 ポリフェノール量は、発酵2日目から4日目にかけて増加したが、発酵4日目から7日目にかけての変化は見られなかった。アスコルビン酸量は、発酵により減少したが、抗酸化活性に変化が見られなかった。両成分共に抗酸化活性を示すことから、全体としての抗酸化活性が保持されたと考えられる。また、HPLCを用いて成分変化について解析した結果、発酵前に存在したピークが減少し、新たなピークが出現していた。この結果から、プチヴェール中のポリフェノールは発酵過程において、イーストにより糖付加を受けたり糖の分解を受けたりしているのではないかと考えられた。

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