日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成28年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1A-a1
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口頭発表
高乾物率玉ねぎ「ゆめせんか」の調理加工適性について
仲西 由美子*入江 謙太朗
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抄録



【目的】玉ねぎを大規模な加工調理で使用する際、「焦げやすい」「離水する」といった特徴は製品品質上問題となる場合がある。我々はこの点を改善するため、調理加工後の品質に優れた品種の探索を行った。今回は北海道立総合研究機構北見農業試験場にて育成された新品種の玉ねぎ「ゆめせんか」の調理加工適性を評価した。

【方法】「ゆめせんか」と既存の主要品種を用いて、それぞれ生鮮状態の玉ねぎのBrixと乾物率を測定した。さらに、加工として炒め調理とボイル調理を行い、炒め玉ねぎの色調、アミノ酸組成とボイル玉ねぎの硬さ、組織構造観察について評価した。また、炒め玉ねぎを用いたオニオンスープを調製し、官能評価を実施した。

【結果】生鮮状態の「ゆめせんか」のBrixは9.2、乾物率は10.7%であり既存の品種と比べて有意に高かった。また、炒め玉ねぎの色調は薄く、既存品種と比較してメーラード反応を起こしやすいアミノ酸類が少ないことがわかった。さらに、顕微鏡観察から既存品種に比べて「ゆめせんか」は細胞の構造がしっかりとしていることがわかり、ボイル調理後でも硬さを維持していた。オニオンスープで官能評価を行ったところ、既存品種と比べて「甘味がある」「濃厚である」などの項目で有意に差があった。

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