日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成29年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2B-7
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口頭発表
減塩醤油を用いた減塩調理への慣れの評価(第4報)
-減塩調理の慣れに必要な期間について-
菊池 節子*善方 美千子*坂野 史明藤本 健四郎小幡 明雄
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抄録

【目的】食塩嗜好には慣れの現象がみられるとの報告があることから、我々は大学生およびケア・ハウス入居者において、濃口醤油の半分の食塩含量である減塩醤油を継続使用することにより、低塩に対する慣れの現象がみられることを確認し、本学会で発表した1)。今回、減塩調理の慣れに必要な期間を調べることを目的に、継続使用期間を1週間に短縮して減塩醤油の使用による塩味の慣れに関する検討を行った。
【方法】対象者はケア・ハウスに入居している高齢者42名(平均84.2±6.5歳)、女子大学生28名(平均20.1±1.3歳)で、以下の試験をお願いした。(1)官能評価(減塩生活前):濃口醤油(食塩濃度約16.0%(W/V))、減塩醤油(食塩濃度約7.8%(W/V))で「マグロ刺身」の嗜好試験。(2)減塩生活(7日間):調理に使用する醤油をすべて減塩醤油で生活。(3) 官能評価(減塩生活後):(1)と同様の試験。(4)献立からの醤油使用量の計算。
【結果】(1)高齢者における官能評価において、減塩生活前後でマグロ刺身の嗜好性に有意な差はみられなかった。(2)女子大学生における官能評価においても高齢者と同様の結果であった。(3)施設の給食における1日あたりの平均醤油使用量は、減塩生活前は濃口醤油12.7g、淡口醤油1.8g、減塩生活中は減塩醤油13.0gであった。醤油を減塩醤油に置き換えて調理した結果、醤油からの食塩摂取量は、減塩生活前に比べ1.1g/日減少していた。これらの結果から、減塩醤油を用いた減塩調理に対する慣れが見られるまでには、最低でも2週間の継続使用が必要であることがわかった。1)日本調理科学会平成27、28年度大会

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