日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成29年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2C-8
会議情報

口頭発表
地元の野菜を巡る調理体験が住民の食生活への喚起に及ぼす影響(第2報)
佐藤 陽子*田渕 弘子*中田 玲子五十嵐 美智恵植木 千恵子萱野 静香石山 晃子鈴木 香里大炊 三枝子白澤 幸雄米澤 外喜夫福永 淑子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】
「地産地消」と地方創生の一環として「我孫子市の農力発見プロジェクト」と題し,地元の野菜を用いた料理教室は二年目を迎えた。今回は4回開催し,季節野菜の魅力を生かした献立を和,洋,中華にし,選食形式で行った。アンケート調査により,参加者の料理教室後の地元野菜に対する意欲などから食生活に及ぼす影響を調べた。
【方法】
1. 我孫子市の年間の生産野菜を生かし,6~8回目の料理教室を計画した。6回目は10月に「我孫子の新米と秋採れ野菜でつくる旬の味」,7回目は12月に「クリスマス音楽美食と一緒においしく学ぶ」,8回目は翌年2月に「我孫子の野菜と点心の出会い」というテーマを設定した。役所から地元の市民に毎回約40~70名の応募をかけ,料理教室を開催した。
2. 毎回,季節野菜の献立の情報を事前に広報にて知らせた。
3. 食事後に食生活とのかかわりなどの座学を行い,最後にアンケート調査を行った。
【結果】
参加者の半数以上は女性で,60代と70代が多かった。6回目は丼ぶりのごぼうのだし汁炊き鶏ごぼう丼,7回目は前菜の里芋コロッケ,8回目は塩味点心の中華粥の評価が5段階で一番高かった。評価の高かった理由として,『美味しかった・好みだった』が85%以上であった。また,『自宅で作りたい』との回答が90%以上であり,その理由として『また食べたい』『家族たちにも食べさせたい』との回答が6割以上であった。前年の1~4回目の調理実習よりも選食形式を希望する者が多かった。
【まとめ】
地域食材を使用した選食形式の料理教室を開催すると地域食材への認識が深まり,自宅での調理に積極的に地域食材を利用する傾向が認められた。地産地消を推進するには地域食材を使用する料理講座は有効と考えられた。

著者関連情報
© 2017 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top