日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成30年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-26
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ポスター発表
レンコン皮の乾燥方法がポリフェノール量および抗酸化活性に及ぼす影響
*鶴田 裕美柘植 圭介澤田 和敬岩元 彬
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抄録

【目的】佐賀県はレンコンの特産地であり,収穫量は全国3位を誇る。収穫量が多い一方で,水煮などの加工工程における未利用なレンコン皮の発生量も多く,その有効利用が望まれている。我々はこれまでに,レンコンを「可食部・皮・節」の部位別に分析し,皮のポリフェノール量が可食部の約2~3倍高いことを報告した1)。しかし,この実験は,凍結乾燥で比較した場合であり,熱風乾燥による影響は確認していない。そこで,本研究では,レンコン皮の乾燥方法(凍結乾燥、熱風乾燥)の違いがポリフェノール量および抗酸化活性に及ぼす影響について検討した。
【方法】佐賀県内の食品工場から排出されたレンコンの皮を凍結乾燥機または露点制御型熱風乾燥機(木原製作所;乾球温度70℃・湿球温度45℃,20時間)で乾燥後,粉砕し,レンコン皮粉末を調製した。水分,総ポリフェノール,プロアントシアニジン,抗酸化活性(DPPH法、ORAC法)を測定した。
【結果】乾物あたりで比較したところ,凍結乾燥に比べて熱風乾燥では,総ポリフェノール量は9%低下し,プロアントシアニジン量は15%低下した。抗酸化活性についても,同様の傾向を示し,DPPHラジカル消去活性は16%,ORAC値は23%低下した。低下原因として,加熱によるポリフェノールオキシダーゼの酸化反応促進が考えられ,今後はブランチング等の前処理条件について検討を行う予定である。また,現在,ポリフェノールの熱風乾燥による構造変化についても質量分析装置等の分析機器を用いて解析中である。
1)日本調理科学会平成27年度大会要旨集p91

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