日本調理科学会大会研究発表要旨集
2019年度大会(一社)日本調理科学
セッションID: 1D-3
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口頭発表
小児期の野菜嗜好および食育に関する検討
*髙山 裕子菅原 沙季
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キーワード: 野菜摂取, 野菜嗜好, 小児期
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抄録

【目的】若年女性を対象として,野菜摂取量と野菜嗜好,小児期の野菜嗜好や食習慣,食育経験を調査し,野菜摂取に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とした。

【方法】対象は,18〜39歳の女性105人であった。調査時期は,2018年7月〜9月であった。方法は,野菜摂取量とそれに関連する栄養素摂取量を把握するために,佐々木らが開発したBDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票)を用いた。BDHQ調査と同時に自記式質問紙調査を行った。調査項目は,基本属性(性,年齢,職業,家族構成),現在の野菜に関する嗜好状況,過去(幼児期,学童期)の野菜に関するの嗜好,食経験,食育経験等である。

【結果および考察】BDHQから得た野菜摂取量は217.5gと1日の野菜摂取目標量350gの6割程度であった。野菜に関する嗜好の項目では,一般的に偏食の傾向が強いとされている6種類の野菜について4段階評定尺度によって得点化した。幼児期,学童期,現在における嗜好を比較した結果,年齢を重ねるほど嗜好度が上昇した。これら野菜の好き嫌いを示す得点について,幼児期,学童期,現在において差異があるかをみると,有意な差が認められた。このことから,子どもの頃に苦手であった野菜が現在では好きになるという傾向がみられた。食の好みの変化に影響したと自覚している事柄をたずねた結果,15項目のうち食育,引っ越し,コンビニエンスストアの利用,テレビ・雑誌・新聞などの健康情報が,緑黄色野菜摂取量と関連がみられた。特に食育の影響が大きいと感じている人は,段階的に緑黄色野菜の摂取量が多くなっていた。

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