日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: A-18
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口頭発表
ブラックココアを用いたスポンジケーキの調製
*露久保 美夏臼田 圭織前原 海斗
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抄録

【目的】本研究ではブラックココアとピュアココアを用いてスポンジケーキを調製し、できあがりに与える影響を明らかにすることを目的とした。

【方法】鶏卵、グラニュー糖、薄力粉、無塩バターを用いて調製したスポンジケーキをコントロールとし、薄力粉をピュアココアまたはブラックココアでそれぞれ置換したスポンジケーキを調製した。調製方法は、鶏卵を湯煎後、スタンドミキサーにて攪拌、グラニュー糖を加えさらに攪拌してフォームを調製した。フォームに粉類を加え攪拌し、溶かしバターを加えさらに攪拌しバッターを得、焼成した。測定項目は、試料のpH測定、水分吸着率、バッター比重、焼成前後の周囲と中心の高さ、色、比容積(体積/重量)、外観観察、水分、顕微鏡観察、物性測定(硬さ、凝集性)形均整率(周囲高さ/中心高さ)とした。

【結果・考察】バッター比重は、コントロールに対してピュアココア、ブラックココア共に添加量の増加に伴い増加傾向を示した。ココア粉末の顕微鏡観察では、ピュアココアよりもブラックココアの方が粒子が小さく、より分散している様子が確認された。比容積は、ピュアココアでは置換率20%で、ブラックココアでは、置換率10%で最大となった。硬さは、両ココアとも添加量の増加に伴い増加した。形均整率は、ピュアココア、ブラックココア共に添加量20、30%では減少し、ケーキ中心部が隆起していた。ブラックココアを用いたスポンジケーキはバッター比重が大きく、膨化率が低く膨らみが悪く、硬くなるということが分かった。これは、ブラックココア粉末の粒子の大きさが影響していると示唆された。

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