日本調理科学会大会研究発表要旨集
2023年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-k30
会議情報

特別企画 多様な調理法と家庭料理の伝承 ポスター発表
九州支部の多様な調理法と家庭料理の伝承調査
—米を用いた料理を中心に—
*田原 美和井口 直子大西 竜子古賀 貴子山口(荒木) 彩
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キーワード: 九州, 家庭料理,
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抄録

【目的】日本調理科学会特別研究「多様な調理法と家庭料理の伝承」に関するWEB調査より,九州支部8県の大学に在学する学生を対象として,主に米を用いた料理に着目し,その調理方法,喫食状況,調理器具類の使用状況等について分析することを目的とした。

【方法】2022年10月~2023年2月にGoogleフォームによる調査を行った。配布総数は2,127,有効回答数は1,075(回収率50.5%)であった。調査項目が多岐にわたるため,ご飯,おにぎり,ちらし寿司,巻き寿司,赤飯を中心に単純集計及びクロス集計を行った。統計処理には,SPSS ver.28.0を使用した。

【結果】米を用いた料理5品目の単純集計の結果から,主に家で作ると回答した割合が最も高かったのはご飯91.9%であった。ご飯を炊くのに使用するのは炊飯器94%で,他の調理器具よりも顕著に高かった。おにぎりは,主に家で作る54.6%,次いで,家でも作るが調理済み品も購入・外食する23.9%であった。作る時には,ラップを使用79.3%,素手33.3%,型を使用10.1%であった。ちらし寿司は,主に家で作る41.9%で,その際使用するのは,ボウル30%,飯台24.5%であった。巻き寿司は,主に家で作る29.3%であった。赤飯を家で作ると回答した割合は17.9%,ほとんど食べないが40%と高く調査項目の中で赤飯の喫食状況が最も低い。作る時の器具類については,ほとんど作らない,わからないと回答した割合が調査項目の中で65.6%と最も高かった。このことから,特に赤飯の伝承については,食教育による何らかの取り組みが必要ではないかと推察する。住居形態別でみると,自宅生は自宅外生に比べ,巻き寿司以外は主に家で作ると回答した割合に高い傾向がみられた。

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