日本調理科学会大会研究発表要旨集
2025年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1B-4
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本みりんの調理特性に関する研究
*後藤 咲季北浦 果歩長嶺 清司石田 丈博升井 洋至
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抄録

【目的】本みりんは,もち米,米こうじ,焼酎もしくは醸造アルコールを原料とし,糖化・熟成をして作られた醸造調味料である。主な成分は,製造過程中にデンプンやタンパク質が分解して出来た生成物とアルコールで,これらが本みりんの様々な調理効果をもたらしている。本みりんを使用した調理効果のひとつに,「塩かど」,「酢かど」を抑える効果が知られている。この効果により調理の味をまとめ,まろやかにするといわれている。本研究では,本みりんの塩味および酸味抑制効果に寄与する成分の探索を目的として,味覚識別装置を用い,各種糖類または本みりん添加時の味覚センサー応答性の比較検討を行った。

【方法】塩味抑制効果の検討用試料には,0.1~2.5%NaCl水溶液を,酸味抑制効果の検討には5~40%食酢(ミツカン製)水溶液を用いた。本みりん(宝酒造製)は,そのまま使用,または,煮切りみりんとして使用した。本みりんを先に煮切り,水溶液と合わせたものを「先煮切り」とし,水溶液と本みりんを混合した後に煮切ったものを「後煮切り」とした。NaCl水溶液および食酢水溶液に本みりん0~20%,各種糖類0~6.0%をそれぞれ添加し,味覚識別装置(アルファ・モス製,α-Astree)のセンサー応答を確認した。

【結果】本みりんの煮切り操作の有無では,NaCl,食酢水溶液ともにセンサー応答に大きな差異はなかった。本みりんの煮切りタイミングの違いによる味センサーへの影響はなかった。NaCl水溶液へのイソマルトオリゴ糖,マルトースの添加で塩味センサー応答の低下がみられた。食酢水溶液では本みりんの添加により酸味センサーの応答性が低下し,マルトース添加時と似た挙動が確認できた。

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