1997 年 43 巻 4 号 p. 177-186
生涯学習社会, あるいは情報化社会と呼ばれる今日では, 図書館利用技能は, 主体的な学習の基盤となる学習技能でなければならない。この学習技能は, 情報活用能力(情報リテラシー)というより広い観点から捉えていく必要がある。本稿では, 情報活用能力を体系的に育成するための学校図書館利用教育モデルとして, Michael B. Eisenbergの情報問題解決モデルを取り上げ, 学校図書館利用教育の体系化と教科教育との統合化という二つの視点から考察した。その結果, Eisenbergの情報問題解決アプローチが従来の学校図書館利用教育を体系化する原理となり得ること, また, その実施においては教科カリキュラムとの統合が必要であることが明らかになった。