昭和病院雑誌
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遺伝子ファミリーを考慮したファジィ推理によるRT-PCRプライマーの設計
牧野 健一平野 英保朝長 健太嵐谷 奎一欅田 尚樹吉水 卓見
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キーワード: GEP, ファジィ推理法
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2007 年 4 巻 1 号 p. 065-073

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抄録

遺伝子発現を種々の薬物や機能蛋白で刺激し mRNA を産生させ、PCRによってその効果を観察する方法は、非常に有効な方法である事を報告してきた。 更に Antisense(As-)で mRNA の翻訳を抑制し、その効果を観察する事によって、細胞や生体の研究を、より速く正確に行える事も報告してきた。我々の用いるファジィ推理によるプライマーの設計は、PCR-Primer や As-Primer の設計において、優れた方法である。従来の As-Primer のコンピュータによる設計は、成功率 10%-20% 程度と言われ、あまり高くないことが知られていたが、我々の方法を(1. GC Contents Check; 2. Homology Check: [versus a.: GAPDH, b: Profilin, c: β-actin]; 3. Self Homology Check;)用いる事により成功率を 90% にまで高めることが出来ていた。この論文ではファジィ推理を行うことで、4: プライマーの5'-と-3'のチェックを加え、更に5: ターゲットとする遺伝子のファミリーとのホモロジーを検査することによって、いっそう特異性の高い PCR-Primer を設計できた (Fuzzy Deducing Check)。そして Gene Expression Programming (GEP)におけるアルコール中毒ラットの遺伝子発現を示す。結果として、ファミリーの多い遺伝子である VEGF の検査において、不特定のバンドを消去する事が出来た。

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© 2007 医療法人茜会・社会福祉法人暁会学術委員会
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