2015 年 14 巻 5 号 p. 257-286
本稿は、B to B の下請業務を事業としている中小企業が、連続的に新規顧客を獲得し続けるためのプロセスとマネジメント要因を、東大阪の中小企業A 社の事例分析を通じて明らかにするものである。分析の結果、「既存の技術を元に新規顧客を獲得した後、その顧客との関係から新規技術を獲得して、さらに新たな顧客を獲得する」という、技術と顧客を軸足においた一貫したパターンが明らかになった。さらにそのプロセスにおいて、「顧客とのパートナーシップの活用」が重要なマネジメント要因となることが明らかになった。