抄録
第1, 2報1, 2) において, 合成Penicillinの末梢作用ならびに中枢作用について検討した結果, Penicillin Gのそれにくらべ, 作用度が弱く, とくに, 中枢作用は1/7~1/600弱いのをみとめた。つづいて, 体内消長を非経口的に投与 (皮下および脳内注射) したさいの臓器内および血中濃度の消長をうかがつた。
合成Penicillinの体内消長については, 基礎的および臨床的研究結果が, 既に先人により報告3~5) されているが, その大多数は経口投与例である。われわれは, その体内消長をPenicillin Gのそれと比較するために, 非経口的適用法を選んだ。また, 各臓器内移行の難易は, 直接疾病治療ならびに副作用と不可分の関係があり, 脳内濃度の測定は, 合成PenicillinのB. B. B. 通過についての指標ともなると考える。