1967 年 20 巻 6 号 p. 427-432
新らしい抗生物質の開発が各種感染症の治療に画期的な進歩をもたらしたことは, 今さらいうまでもないが, 一方, 耐性菌の出現も著るしく, 我々臨床医の悩みである。したがつて, これら耐性菌に高い抗菌力をもつ新抗生物質の研究開発がさらに望まれるのが現状である。
我々は最近, 新抗生物質Cephaloridineを耳鼻咽喉科領域各種感染症に臨床応用し, その治療成績を検討するとともに, 2, 3の基礎的実験をおこなつたので, その結果を併わせてここに報告する次第である。