抄録
細菌のストレプトマイシン (SM) に対する耐性並びに依存性変異の問題に関しては, 1946年以来MILLER & BOHNOFF1), 2), KLEIN & KIMMELMAN3), 4), PAIN & FINLAND5), DEMEREC6), NEWCOMBE & NYHOLN7), YEGIAN & VANDERLINDE8), 牛場6) 及び秋葉10) 11) 等によって研究され, 形態学的, 生化学的, 毒力の点等において, 原株に近似しているとするもの, 或いは多少の相違を認めるものがあって, 結論は必ずしも一定していない。その変異の機構に関しても, Spontaneous mutation and selectionによるとか, adaptationまたはinduced mutationによるとか, 未だ一定していない。
著者は大腸菌UKT-1株を用い, SM耐性株及び依存性株を分離し, その諸性状を調べ, 且つ変異株のマウスに対する病原性を調べたので, その大要を報告する。