The Japanese Journal of Antibiotics
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Cefsulodin及びCefotiamのヒト眼内 (前房水及び角膜) 移行性に関する研究
百瀬 皓笠原 淳弘畚野 剛水田 栄治
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1982 年 35 巻 12 号 p. 2879-2893

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抄録

近年本邦においては, 諸外国に比べて各種抗菌剤の研究開発が極めて活発に行われている。特にペリシリン, セファロスポリン系のβ-ラクタム系抗生物質はその作用機序が細菌細胞壁に直接作用するために人体に対する副作用が少なく, 安全性に優れていることから, 市販品も多数にのぼつている。
しかし, 眼科領域の適応症を取得している薬剤は少なく, Sulbenicillin (SBPC), Carbenicillin (CBPC), Cepha-10thin (CET), Cefaloridine (CER), Cefazolin (CEZ) であるが, 臨床適用の参考となるヒトの眼内移行性成績はCEZ1, 2) を除き見当らない。又国内では眼科領域の適応症は取得していないけれども, 外国での研究としてCefuroxime (CXM) 3), Cefamandole (CMD) 4), Cefoxitin (CFX) 5) の眼内移行性が報告されているにすぎない。
このような現状において, このたび武田薬品から特徴のある2種類のセファロスポリン系抗生剤Cefsulodin (CFs), とCefotiam (CTM) が市販された。その化学構造式をFig.1に示した。CFSは, 緑膿菌に有効な世界最初のセファロスポリン系抗生物質であり, 一方のCTMはグラム陽性菌からグラム陰性菌にまで幅広い抗菌スペクトルを有し, 従来のセファロスポリン系抗生物質に比べて新しくインフルエンザ菌, シトロバクター属, エンテロパクター属, インドール陽性のプロテウス属が有効菌種として追加され, 日常診療で分離頻度の高い菌種には極めて抗菌力の強い薬剤である。
これら両剤の家兎眼内移行性についてはすでに検討がなされている6, 7) が, ヒト眼内移行性については検討成績がなく, 今後の眼感染症に対する臨床使用の一助とするべく, 両剤のヒト眼内移行性につき検討し, 若干の考察を加えたので, ここに報告する。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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