1992 年 45 巻 4 号 p. 371-380
新しいカルバペネム系抗生物質であるPanipenem/Betamipron (PAPM/BP) につき小児科領域において基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
1. 当科臨床分離株に対する抗菌力は, グラム陽性菌からグラム陰性菌にわたり全般的に強い抗菌力を示した。
2. PAPM/BPを10mg/10mg/kg1例, 20mg/20mg/kg2例に30分点滴静注した時のPAPMの最高血漿中濃度は点滴静注終子時で33。21~75.66μg/mlで, 半減期は0.81~0.93時間であつた。又, 投与開始後6時間までのPAPMの尿中回収率は10.7~40.4%であつた。
3. 各種小児感染症16例に本剤を投与し, 100%の臨床的, 細菌学的有効率を得た。
4. 副作用は1例もみられず, 検査値異常としてGOT上昇, GOT, GPT上昇, 好酸球増多各1例, 血小板増多2例がみられたが, いずれも軽度であつた。