The Japanese Journal of Antibiotics
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小児細菌感染症に対するfaropenemの有効性および安全性の検討
横田 隆夫阿座上 志郎安倍 隆尾崎 亮小島 正小泉 友喜彦城崎 慶治長 秀男中尾 歩野々山 勝人番場 正博北條 秀人砂川 慶介
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2008 年 61 巻 6 号 p. 366-378

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抄録

唯一の経口ペネム系抗菌薬であるfaropenem (FRPM, ファロム®ドライシロップ小児用) は, 小児の用法・用量が確立された抗菌薬の中で, ペニシリン耐性肺炎球菌 (peni-cillin-resistant Streptococcus pneumoniae, PRSP) に対して高い抗菌活性を有する数少ない薬剤のひとつである。
今回, 軽症から中等症の小児細菌感染症 [上気道炎 (咽頭炎・扁桃炎), 気管支炎, 中耳炎, 尿路感染症] 113例に対して, FRPMドライシロップを1日15-30mg/kg分3, 3-8日間経口投与し, 有効性および安全性を検討した。なお, A群β溶血性連鎖球菌 (Group A Streptococci, GAS) 感染症の場合は5-14日間投与により検討した。
疾患別の有効率は, 上気道炎63/70例 (90.0%), 気管支炎6/7例, 中耳炎16/17例 (94.1%), 尿路感染症6/6例であり, 各疾患に対して良好な臨床効果が得られた。またFRPMは, S. pneumoniaeに対して優れた抗菌活性と良好な田の消失率を示した。安全性に関して, 重篤な有害事象は認められず, 副作用は12.5% (14/112例) で全例が下痢であった。下痢の発現の頻度に関しては, 他のβ-ラクタム系抗菌薬と大きな違いはなかった。服用性について, FRPMは極めて良好であることが確認された。
以上の結果より, FRPMはペニシリン系抗菌薬ならびにセフェム系抗菌薬とともに, 小児細菌感染症の治療に有用であると考えられた。

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