抄録
青森市郊外の幸畑団地において,2013年,2018年に続く住宅の悉皆調査を2023年夏に実施した.人口減少と高齢化が青森市を上回るペースで進む同団地において,10年間に170戸の家が新築され,50戸以上がリフォームされたことを確認できた.同団地の一戸建ては約1,100戸であり,合わせて約20%もの家が更新されたことになる.空き家は10年前に比べて大きく減っている.安い地価と広い敷地を要因とした子育て世代の流入などが背景にある.ただし,この5年間で住宅の増加は鈍化し,空き家も再び増え始めている.新しい住民を基軸とした,新しい地域コミュニティの創出が今後の大きな課題である.