抄録
今回,コナラ,シラカシ等の堅果種子と混播可能な草種について3パターンの草種の組み合わせによる板状植生マットの導入ついて検討した。その結果,イタドリを草種として使用した場合ヤマザクラ,コナラ,ジューングラスの場合,ウバメガシ,シラカシ,コナラ(一部)がそれぞれ良好な生育を示した。植被率から,ジューングラスまたはジューングラスとホワイトクローバーの併用がイタドリと比べ早期緑化の点で有効であった。マットの設置が7月の夏季になると,3月の春季に比べ,樹高は半分程度に低下した。これらの点より,樹種により草種も選択する必要性があること,草種も混播する堅果種子が同一樹種でも設置時期で草種を検討する必要性が示唆された。また今回使用したジューングラスは設置1年目で,草高が7月に最大13cmになったが以後低下したこと,ヤマザクラ以外の樹種で生育良好で生存率も高い点より今後有望な草種であると認められた。