失語症研究
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シンポジウム
「街の顔」と「人の顔」
河村 満
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2001 年 21 巻 2 号 p. 128-132

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抄録

    脳の臓器としての役割には少なくとも2つがあり,1つは環境の中に自己を適切に置く役割,もう1つは言語などのコミュニケーションの役割である。
    本稿では,街並失認および相貌失認という2つの環境刺激 (街並などの風景と人の顔) の障害の病態について述べた。街並失認と相貌失認の責任病巣はそれぞれ右海馬傍回,右紡錘状回・舌状回であった。また街並失認・相貌失認の発現機序はいずれも右後頭側頭葉-海馬系システムの障害と考えられた。さらに,表情失認について述べ,人の顔の表情認知障害は大脳基底核や扁桃体の障害で生ずることを示した。
    顔を同定するときと,その顔の表情を理解するときとはまったく異なった脳内機構が使われるのである。

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© 2001 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会)
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