失語症研究
Online ISSN : 1880-6716
Print ISSN : 0285-9513
原著
高次脳機能スケールを用いた脳障害の経時的評価について
今村 陽子植村 研一龍 浩志小島 義次金子 満雄
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8 巻 (1988) 3 号 p. 217-223

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抄録

6つの下位テストから構成した高次脳機能スケール(higher brain function scale 以下 HBF スケールと略す) を用いて, 脳障害患者の経時的評価を行った.又長谷川式痴呆診査スケール (以下 HDR スケールと略す) や WAIS との比較も検討した.痴呆例や意識障害をもつ例では数唱問題以外はほとんど 0点となるパターンであった.痴呆例は, 経時的な検査でもこのパターンに変化はなかったが, 意識障害が回復していく例では, 記銘・記憶障害がまず回復し, 5単語の5分後の再生, 7シリーズなどの得点が上昇した.しかしより高次の脳機能を必要としていると推測される語の列挙, 類似問題, 仮名ひろいテストに成績不良を認める症例が多かった.局所病巣例の慢性期では, 前頭葉病巣例では仮名ひろいテストが特に低下する傾向を持ち, 側頭葉病巣例では5分後再生が障害されていた.これらの所見は病巣の局在と関係することが示唆された.

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© 1988 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会)
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