2008 年 56 巻 4 号 p. 581-586
ブリおよびカンパチから分離された Mycobacterium marinum は15-32°Cの範囲で緩慢に増殖し,適温は25°Cであった。供試株はカタラーゼ陽性で,供試炭水化物からの酸産生が陰性,供試した炭素源を必要としなかった。M. marinum の薬剤感受性は,ヒドロキシルアミンヒドラジド,イソニアジド,ピクリン酸および 5%NaCl に感受性を示したが,T2H とチアセタゾンには耐性を示した。M. marinum は供試した蛋白を分解または消化できなかった。種々の条件下で培養を試みた結果,供試菌の生存は海水において長期に認められた。供試菌は37°Cでは 1ヶ月間生存できなかったが,5°Cと25°Cの間では,3 から 6ヶ月間後でも生存していた。