水産増殖
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原著論文
ヒラメ人工種苗における放流時と漁獲時の無眼側体色異常率の比較
藤浪 祐一郎清水 大輔山田 徹生大河内 裕之
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2020 年 68 巻 1 号 p. 51-58

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抄録

ALC 標識を装着したヒラメ人工種苗,合計14放流群の放流時と漁獲時の黒化率を比較した結果,1群を除いて両者に有意な差は認められなかった。個体ごとの無眼側黒化発現状況を示す指標として黒化面積比によって6段階に区分した「黒化レベル」を定義し,6放流群の稚魚,0から1歳の採捕魚,および2歳以上の採捕魚について各レベルの出現頻度を比較した結果,5群で有意差は認められなかった。以上の結果から,ヒラメ人工種苗の黒化率は放流後にほとんど変化しない可能性が示唆された。ヒラメの放流効果調査では一般的に無眼側の色素異常が放流魚の標識として用いられるが,無眼側に黒化部位の無い種苗を含む放流群においても,市場調査で推定された標識魚(黒化魚)の水揚げ尾数を放流時の黒化率で除することにより,黒化の無い放流魚が天然魚に誤認されることによって生じる過小推定分を簡便に補正できると考えられた。

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© 2020 日本水産増殖学会
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