1) ブリ稚魚にグリチルリチンを投与すると, 魚体重1kgあたり25mgまでは, 増重量は投与量が増加するにつれて増加したが, 50mgでは5mgおよび25mg投与区よりも低下した。
2) ブリ稚魚にグリチルリチンを投与すると対照区と比較してヘマトクリット値および血清タンパク量は投与量の増加にともなう変化は認められなかったが, GOTおよびGPT値は減少した。
3) ブリ稚魚にグリチルリチンを投与すると血清中の補体価, リゾチーム活性および抗体産生量は上昇する傾向を示したが有意差は認められなかった。
4) ブリ稚魚にグリチルリチンを投与したのちのブリ実験的連鎖球菌症に対する抵抗性は対照区と比較して投与量が増すにつれて上昇した。この原因としてはグリチルリチンを投与したブリでは肝臓機能が正常化され, 健康状態が改善されるためではないかと思われる。